紙包装や紙パルプ製造の未来

紙系複合パウチが現実として登場してきました。今後は新製品や既存製品のリニューアルに際して、紙をベースとした容器包装が選択肢の上位に上がるだろうと考えられています。100%バイオ由来のユートシール素材の実現も叶い、バリア性とヒートシール性を合わせたPLAペースのものが出てきて実用化の段階にあるといいます。日本の製紙各社は、ネット通販拡大によるダンボール拡大と値上げによって久々の好況が伝えられています。脱プラスチックを追い風に、ペーパーイノベーションは続くはずです。では近未来の包装の最大のトレンドは何でしょうか。これを読み解く鍵として、循環型社会とデジタル・ネイティブの生活者の存在があります。世界では少なくとも2030年をひとつの区切りとして、目標を立ててそれに向かって進んでいき、包装の役割も高くなるばかりです。

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脱プラスチックと軟包装の未来

緩衝包装では、バブルモールドや板紙・ダンボール製品とスチロール・ウレタン発泡成形品との間でどちらが環境に優しいかの論争が続きました。今では廃棄性としては紙系の方が簡単です。次はファーストフードなどでの使い捨て容器類、トレーやカップは、マクドナルドの例があるように、リサイクルが容易な紙への転換が一斉に進んでいます。この流れは食品用トレーにも波及すると言われています。急増するネット通販による生鮮食品宅配用保冷箱でさえ、現行の発泡スチロール箱に替わる紙製品の開発が進められています。ヨーロッパで始まった脱プラスチックから紙系包装材料への転換が、プラスチック包装の使用率を下げるには手っ取り早い緊急の措置であるような印象があります。再生可能な木材・非木質系のセルロースがバイオポリマーと同じレベルで評価されています。

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3Dプリンターを活用した包装技術

カリフォルニア大学のバークレー校の工学エンジニアたちは、台湾の国立交通大学の研究者との共同研究で、消費者の牛乳の廃棄問題に取り組みました。彼らは牛乳のカートンにピッタリ合致するセンサーを組み込んだワイヤレスキャップを考案しました。

イギリスのNature誌に発表された研究内容によると、プラスチックキャップを、3Dプリンターを用いて作って、その際に回路形成部には予めワックスを埋め込んでおきます。次にワックスを溶融除去して、そこで生じた中空部分に銀を注入します。そうするとキャップの内部に設けられた小さな液だまりの部の上下に向かい合った電極が設けられることになります。

ミルクカートンを激しく揺すると、この部分に少量の牛乳が貯まり、電極間に電波が流れます。腐敗による電流の変化を読み取ろうという仕組みです。

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自然界の包装

包装は人間だけのものではありません。魚類は通常何万という数の卵を生みますが、ネコザメは一度に2個しか産卵しないため、一つ一つの大きさが格段に大きく、一年程かけて生まれてくる稚魚は20〜30cm程の大きさに育つことができます。

また卵の形はかなり独特で、まるで海藻でできたドリルのような形状をしており、岩や海藻に固定し流されないようにしているといわれています。このように自然界の包装には、中身を保護する役割だけでなく、生態や生活環境に合わせた様々な機能を持っています。

現在も、自然界の包装からヒントを得て応用されているものもありますが、高機能すぎて再現不可能だった包装も、科学・技術の進歩によって新たな包材が生み出されるでしょう。

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高付加価値商品へのリサイクル

トマトの葉茎で作った成形品はトマトの販売用トレーとして十分に使えることが実証できました。1ヘクタールのトマト畑から毎週1トンの葉茎を回収して、古紙パルプと混ぜてトマト500㌘入トレー4500個を、1個あたり0.02ユーロで作ることができたという報告もあります。現在ではトマトの葉茎はそのままコンポスト処理されているので、これはまさに高付加価値商品へのリサイクルの事例といえるでしょう。トマトの生産者にとっては、トマトの生産者自身によって産地で生産された場合は、エネルギーや輸送費のメリットがあります。これはサステナブルビジネスのモデル事業だといえるでしょう。トマトのトレーは実用化されて事業は継続しています。こういった技術は大手化学メーカーも研究しており、飲料およびフィルムの両方での実用化を目指しています。

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国連食糧農業期間と欧州委員会

FAO(国連食糧農業機関)は、8億人以上の人たちが慢性的な栄養失調になっていると発表しています。また、FAOの常任理事は、すべての人に十分な量の食料が生産されているにも関わらず、世界人口の半数以上は、過剰消費と過小供給の状態にあると訴えています。また、欧州委員会の環境委員のひとりは、世界で生産される食料の3分の1が廃棄されている現状には弁明の余地がない。EUは食品の廃棄を2020年までに半減するという目標を設定しました。そして、食品の持続的な供給システムの確立に向けて、食品廃棄ロス問題に着手、食料チェーン全体を通して資源の無駄遣いをなくすことに取り組むと声明を出しました。EUは食品廃棄をもたらす主な原因として、無計画な買い物や意識の欠如をあげています。また、消費者側の調理法の知識不足もあると言っています。

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豆腐パックの進化は止まらない

最近では食品包装も酸素や水蒸気などの外部要因に極力影響を受けないよう包材含めしっかりシールするという一面と、消費者にとって使い勝手のいい「開封のしやすさ(易開封)」という2面性を併せ持つ必要があるというように変わってきています。一例をあげるとお豆腐の包装。豆腐は切り離せない水も合わせて包装しないと、乾燥して売り物になりません。いきおい水漏れしないしっかりした包装が望まれます。これと相反して、開けるときは包丁などの刃物を使うのは、特に子供やお年寄りには危険となるため、できるだけ簡単に開けられるようにする、というのも求められます。そこで現在行われているのが2層構造のフタ材の採用です。外側の1層目をミクロンオーダーのナイロンとし、内側で容器とシールさせる側には厚さが倍近くのPE(ポリエチレン)とPP(ポリプロピレン)の複合材、更に容器側はポリプロピレンとすることで、密封性と易開封性を実現させています。そしてさらに最近では進化版ともいえる構造に工夫を施した画期的な豆腐パックも考え出され出回っているようです。さらに長期保存にも耐えうる豆腐用パックも開発され話題となっています。これは無菌充填技術と包装技術のタイアップで完成されたものでほぼ無菌状態と言われています。無菌ゆえ長期保存も可能となり、もちろん保存料なども添加する必要がありません。このように豆腐パックひとつとってみても、包装の進化は留まるところをしりません。

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優れた包装機能がある生物たち

自然界には種を守るためとか、卵を守るためといったさまざまな優れた包装機能を持った生物がたくさんいます。木の実の外殻には種を守る外殻にプロペラが付いていて、種を遠くに飛ばします。たんぽぽや綿の実の綿毛も遠くに飛ばすための仕組みです。種子の殻というのは、中身を守るためだけではない機能があるのです。鮮やかな色の美味しい木の実というのは、鳥たちに食べてもらって、種を遠くに運んでもらうという工夫があります。商品の包装というのは、中身の品質を守る役割はもちろんですが、さまざまな優れた機能をもたせることも可能です。品質の保護と簡便性、そしてデザインの美しさの快適性といったものです。動物の卵だったら、外の殻には呼吸できるように小さな穴があいていて、その穴から細菌が入らないように、白身に細菌を溶かす酵素が含まれています。それから胚には栄養に富んだ黄身と胚を守る緩衝材や断熱材の役割のある白身があります。生物が持っているさまざまな優れた機能は、新しい包装の手本になるものが含まれています。こういった自然界を参考にして、優れた機能を持った包材が開発できるという意見もあります。金属缶にはスチール缶やアルミ缶、コンポジット缶といものがあります。缶というのは、18リッター缶より小さな薄板性の金属容器を通常を缶といいます。金属缶は、紙やプラスチックに比べて強度と剛性が大きなものです。耐熱性も高く、光線、酸素、水蒸気などをまったく透過しません。なので、内容物の保存性が良く、外観も美しいという特徴があるといえます。金属缶にはブリキ、ティンフリースヒール(TFS:電解クロム酸処鋼板)、アルミニウムなどがあります。

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包装と環境の問題

包装というのは資源を使って物を包むことでもあります。18世紀の産業革命以降、大気中の「二酸化炭素」の濃度は増加傾向にあるようです。人間の生活と生産活動が大気中の「二酸化炭素」の量を増加させているようですが、「二酸化炭素」の大量発生が「温室効果ガス」として「温暖化」を招いていることをご存じですか。「温暖化」とは、地球の地表面の温度が自然な変動以上に上昇することを言うようです。皆さんも各メディアなどから配信されているニュースなどでご存じであるとは思われますが、地球の「温暖化」により氷河などが解けはじめることから海面が上昇し、気候変動や異常気象への影響につながっている現状が、今後の私たち人間の生活環境にも多大なる変化をもたらすであろうといった予測が専門家たちなどによって述べられております。人間の生活と生産活動が生み出す「二酸化炭素」などの「温室効果ガス」が、地球の周囲をラッピング包装するように地表の温度を上昇されているようなのです。皆さんの呼吸とともに排出される「二酸化炭素」は、大気中の寿命として知られている年数は200~500年などとも言われているようです。現在、排出されている「二酸化炭素」は、500年後の人々の生活を脅かしているかもしれないのです。

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