梱包技術と生活の変化

包装技術の発展は、包む技術を進化させるだけではなく、人々の生活スタイルさえも変えてしまうような影響力をもっていました。19世紀以降に、登場したプラスチック素材は、現在では当たり前のように使用されていますが、画期的に人々の暮らしに変化をもたらしました。その代表的な変化は、食品の流通環境の変化です。それ以前の食品を包装する技術は、簡易的に一時保存するような形態が主であり、一時的な保存、一時的な持ち運びが可能となっていました。プラスチックの登場が、包装技術と人々に与えた影響は、歴史的にみても大きな変化と言えるはずです。長期保存を可能にした包装技術は、加工食品の製造に拍車をかけ、大量生産を可能とし、流通における分野にも、その多大なる影響力を発揮する事となりました。皆さんの身近な包装素材としてあげるとすると、段ボールも、流通文化を大きく変化させた包装分野であります。段ボールは、シルクハットの内側の素材として19世紀イギリスで発明されたという発祥があります。現代において流通する物品のほとんどは、この段ボールで梱包され運送されています。段ボールは、梱包素材として、世界の産業を支えているといっても過言ではないかもしれませんが、その他の姿として、簡易トイレ、楽器、インテリアなどとして、梱包、包装などとは違った使い方をされる事もあります。そのすぐれた特徴が、汎用性をもって取り入れられているようです。