各種ヒートシール方式
バーシールを行う場合のシール条件としては、温度、時間、圧力の3つの条件が基本的なものです。シール温度を高くすると、シール時間を短縮することが可能ですが、シール材の軟化点や融点より極端に高温にすると種々の弊害が生じるため、高くなり過ぎないように注意する必要があります。シール時間は、作業能率の点からは短くする必要がありますが、シールの完全性の点では長くとる方が望ましいです。シール圧力は、シール材間の間隙をなくするために必要ですが、圧力を上げ過ぎると、シール部が変形したり、溶融したシール材がはみ出してシール強度が低下するため、適切な圧力に止めるべきでしょう。インパルスシール法は、電気絶縁性の耐熱材を介してニクロムリボンを被着フィルムに圧着したのちに、瞬間的に大電流を流してニクロムリボンを加熱し、この熱でヒートシールを行う方法です。このシール方法は、冷凍野菜用袋、水物用袋、真空包装などのシールに広く使われています。また、インパルスシールの変形として、ニクロムリボンの代わりにニクロム線を用い、通電加熱してシールを行うと同時に溶断するインパルス溶断シール方式もあります。高周波誘電シール方式は、誘電体に高周波電界を加えると誘電損失により発熱する原理を利用したシール方式です。誘電損失の低いポリエチレンなどには適さず、誘電損失の高いポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデンなどのシールに適用されています。高周波誘導加熱は、導電体であるアルミ箔とポリエチレンやポリプロピレンなどのシーラントとのラミネート品のシールに適用が可能です。このシール方式では、アルミ箔が発熱し、熱伝導によりポリエチレンなどのシーラント層が加熱溶融されてシールが行われるため、バーシール方式に比べてシーラント層の温度上昇が急速であり、短時間シールが可能です。容器への蓋材のシールに一部適用されています。